掲載日:
2010年04月09日
Rex Features/アフロ
伝説的パンク・ロックバンド、セックス・ピストルズ(Sex Pistols)の生みの親で、その洞察力とコンセプチュアルな作品で音楽シーンを大きく動かしたミュージシャン兼ファッション・デザイナーのマルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)が8日、ガンで死去した。64歳だった。ロンドンに生まれたマルコム・マクラーレンは、1971年にファッション・デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)とともに後に伝説となるブティック「Let It Rock」を開店。その後アメリカでニューヨーク・ドールズのマネージャーを短期間務め、パンク文化の影響を強く受け帰国した。イギリスでもパンクを流行らせようと考えたマクラーレンは、ブティックの店名を「SEX」と改め、ボンテージファッションを展開。さらに、当時店に出入りしていたアマチュアバンド「ストランド」に新たなメンバー、ジョニー・ロットン(Johnny Rotten)らを加えて“セックス・ピストルズ”と名付け売り出した。マクラーレンがデザインしたボンテージファッションに身を包み、過激な言動で若者を煽りたてたセックス・ピストルズは大成功を収め、イギリスのパンク文化を花開かせることに成功。その後はマクラーレン自身もアーティストとしてヒット曲を放ち、画家、映画プロデューサーとしてマルチな活躍を見せた。ファッション界・音楽界で計り知れない功績を残し、多くの人物に影響を与えてきたマルコム・マクラーレンのご冥福を、心よりお祈りいたします。