掲載日:
2011年05月19日
アフロ
第64回カンヌ国際映画祭8日目。コンペティション部門出品作品『メランコリア』の上映会とフォトコールが開催され、キャストのキルスティン・ダンスト(Kirsten Dunst)、シャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)、シャーロット・ランプリング(Charlotte Rampling)、監督のラース・フォン・トリアー(Lars von Trier)等が出席した。同作は、結婚パーティーの最中にメランコリアという惑星が地球に向かっていることを知った新郎新婦とその姉妹を中心に、追い詰められた人間の心理が崩壊していく様を描いた作品。「メランコリア」には“うつ病”という意味がある。監督・脚本を務めたのは、2000年の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でパルムドールを獲得しているデンマーク人監督のラース・フォン・トリアー。今年のカンヌ大本命と呼ぶ声もある。会見でラース・フォン・トリアー監督は「この映画は世界の終わりを描いたものではなく、その時の人々の精神状態に焦点を当てたものです」と解説し、自身も患い苦しめられたうつ病=メランコリーについては「私はこの言葉(メランコリー)が含み持つ苦しみと罪悪感の概念が好きです。私の好きな芸術の中にはメランコリーが存在し、最も傑出した芸術には不可欠な要素です」と語った。またキルスティン・ダンストは「うつを経験し、それを乗り越えた人は、それまでよりも強くなるわ。それは私が演じる人物にも言えることで、映画が進行するにつれてどんどん力を取り戻していくの」とコメントした。映画『メランコリア』は5月26日よりデンマークで上映開始。日本でも2011年内に公開される予定。